債務整理のよくある質問 法律事務所ホームロイヤーズ運営の債務整理ガイド

債務整理のよくある質問

よくあるご質問一覧  [Q.1-34] [Q.35-77] [Q.78-108]

(5)個人再生手続き(民事再生法の特則)

Q.78.
個人再生手続きとはなんですか。

A.78.
民事再生法の小規模個人債務者向け特則として定められたものです。民事再生法は、経済的苦境に陥った債務者が、返済計画にしたがって将来得られる収入を債務返済に充てることとし、返済不可能な債務を免除してもらうことによって、債務者の経済的破綻を回避して自助努力で再生する手続きを定めたものです。この手続きを個人債務者にも利用しやすく簡素化した手続きが、個人債務者再生手続きです。

Q.79.
民事再生法は企業だけが利用できるのではないのですか。

A.79.
民事再生法は法人だけでなく個人も利用可能です。ただし、通常の手続きは個人が利用するには煩雑で費用も高いので、より簡素化した個人用再生手続きが平成12年に制定されました。

Q.80.
個人再生手続きと破産との違いは。

A.80.
破産手続きは、破産宣告を受けた時点での債務者の資産をすべて換価し、債権者に按分配当するという「清算型手続き」です。これに対して、個人再生手続きを含む民事再生手続きは、個人の将来収入や企業の事業継続によって見込まれる収益を債権者への返済に充てる「再建型手続き」です。

  民事再生手続き 破産免責
対象 住宅ローン等を除く借金総額が5000万円以下で、将来継続的に収入が見込める人 すべての人
予納金 15万円程度 同時廃止の場合:3〜5万円管財事件の場合:数十万円
資格喪失等 なし あり
資産の換価 必要なし 管財手続きの場合:あり
同時廃止の場合:なし(そもそも換価すべき財産がない)

Q.81.
個人再生手続きと任意整理との違いは?

A.81.
以下のような違いがあります。

  概要 関与者 債権者の協力 コスト
任意整理 債権者・債務者(代理人として弁護士)間での相対交渉 債務者(代理人としての弁護士)、債権者 必要 弁護士費用のみ
民事再生 国家権力を背景とした強制的かつ定型的な借金整理手続き 債務者(代理人としての弁護士)、債権者、裁判所 必要(小規模個人再生の場合のみ) 弁護士費用+裁判所への予納金

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Q.82.
個人再生手続きを利用することによって何らかの社会的不利益はありますか。

A.82.
破産の場合のような資格制限はありません。また官報に手続き開始決定の公告がなされますが一般の人がこれをみることはあまりありません。ただし、ブラックリストに載りますので、クレジットカードやサラ金を利用できなくなる可能性が高くなります。

Q.83.
個人再生手続きはどのような人が利用可能か。−小規模個人再生と給与所得者等再生−

A.83.
小規模個人再生手続きは、比較的小規模の債務について、将来の収入をその返済原資に充てる手続きですので、以下のような申立要件を満たす必要があります(民事再生法221条1項)。
・将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり、
・再生債権の総額が5000万円を超えないこと。さらに、サラリーマンのように収入の変動が小さい方については、「給与所得者等再生手続き」が利用できます(民事再生法239条1項)。

Q.84.
個人再生手続きを利用できない場合はありますか。

A.84.
「再生手続き開始要件」と「再生計画認可要件」をそれぞれクリアする必要があります。
・再生手続き開始要件…・将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあること。
・住宅ローン等担保権の実行によって弁済される見込みのある債務を除く債務の総額が5000万円を超えないこと(民事再生法221条1項)。
・再生計画認可要件…・再生計画による弁済金額が、破産となったときの配当金額を上回ること、下記金額以上であること(231条)。

債権総額 再生計画による弁済金額
100万円未満 当該金額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 当該金額×5分の1
1500万円以上3000万円以内 300万円
3000万円超え5000万円以内 当該金額×10分の1(上限500万円)

Q.85.
手続きはどのように進められるのですか。

A.85.
個人再生手続きは以下のような手順で進められます。

・個人再生の申立
・裁判所の再生手続き開始決定(→開始決定の公告)
・債権額の確定手続き
・再生計画の作成・裁判所への提出
・書面決議(小規模個人再生の場合のみ)、債権者からのヒアリング(給与所得者等再生の場合)
・再生計画案の認可

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個人再生申立

Q.86.
個人再生申立の際の手続きについて教えてください。

A.86.
以下の書類等を裁判所に提出します。

書類 添付書類
申立書 住民票 戸籍謄本
債権者一覧表 100万円
収入一覧表 源泉徴収票(サラリーマン等の場合)
主要財産一覧表 確定申告書(事業者等の場合)

Q.87.
主要財産一覧表の提出が求められていますが、これらの財産はいずれ処分せざるを得ないのですか。

A.87.
主要財産一覧表は、仮に破産手続きをとった場合にどれだけ配当が可能かを計算するために使うものです。再生計画の認可要件として、再生計画に基づく返済総額が破産となったときの配当総額を上回らなければならないからです。

Q.88.
債権者一覧表に記載する債務の額が不明なのですが、どうしたらよいでしょうか。

A.88.
債権者一覧表には概算額を記載の上、将来異議を述べることがある旨を記載してください。これによって、再生手続き開始決定後に債権調査をして、記載額を下回ることがわかった段階で、裁判所に対して異議を述べることができます。

再生手続き開始決定後〜再生計画認可

Q.89.
裁判所から開始決定が出ました。再生手続きが開始されることになるのですが、日常生活に何か制限がかかることはあるのですか。

A.89.
破産手続き開始(管財事件)の場合と異なり財産管理は原則として自由に行えます(民事再生法38条)。財産処分や新たな借入を行う際には裁判所の許可を得なければならないとされることがあります(同41条)が、そのようなケースは少ないようです。

Q.90.
再生手続き開始決定によって債権者はどのような制約を受けますか。

A.90.
再生手続きが開始された場合には、債権者は再生手続き以外での債務の弁済をうけることが禁止されます。また強制執行や仮差押も行うことが禁止されます。さらに再生手続き開始決定後は、すでに効力が生じている強制執行の手続きも効力は中止となります(民事再生法39条1項)。
※実際の強制執行手続きを止める方法については弁護士に相談してください。

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Q.91.
再生手続きでは主に何が行われるのですか。

A.91.
再生手続き開始決定後は、主に・債権額の確定と、・再生計画の作成が行われます。

Q.92.
再生計画とは何ですか。

A.92.
再生計画とは、確定した債権総額のうち、再生債務者がどれだけ返済していけるか、またそのスケジュールをどうするかを決めるものです。

Q.93.
再生計画案における弁済総額はどのように決められるのですか。

A.93.
小規模個人再生手続きと給与所得者等再生手続きとで異なります。

小規模個人再生手続き 給与所得者等再生手続き
・ 100万円以上〜債権総額の10%
(上限500万円)
または
・ 債務総額が100万円未満の場合、債務総額
または
・清算価値の多い方
・ 可処分所得(※)の2年分
または
・清算価値
または
・最低弁済額(左記)の多い方

※可処分所得とは、年収から所得税、住民税、会社保険料等の法的控除を差し引いたものから、さらに最低生活費(生活保護基準を参考にして、政令によって定められている金額)を引いた額です。
この可処分所得の2年分が基準金額になります。

「可処分所得」=年収 - 所得税 - 住民税 - 社会保険料 - 最低生活費

Q.94.
再生計画に対して債権者の同意をとる必要がありますか。

A.94.
小規模個人再生手続きの場合、再生計画に対する債権者の決議が必要になります。この場合、・反対票が総債権者数の2分の1未満で、かつ・総債権額の2分の1未満の場合に再生計画案が承認されたことになります。過半数の債権者+大口債権者からの同意が必要ということです。この決議と要件チェックを経て裁判所は計画認可をします。給与所得者等再生手続きの場合にはこうした債権者の同意は不要です。裁判所は再生計画案が最低弁済額等の要件を満たしており、かつきちんと履行される見込みがあれば計画案を認可します。

再生認可手続き終了後

Q.95.
再生計画が認可されれば一切の借金から解放されるのですか。

A.95.
いいえ、再生計画に従って原則3年間きちんと返済をつづけなければなりません。計画終了後に晴れて借金から解放されることになります。

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Q.96.
認可された再生計画を遂行している限り、連帯保証人や物上保証人に対する債権者からの追及はないのですか。

A.96.
残念ながら、あります。連帯保証人や物上保証人は再生計画にかかわらず、再生計画を申し立てない場合の借金の保証債務を負っています。連帯保証人や物上保証人も経済的な事情を考慮して、債務整理を検討した方がよいかもしれません。

Q.97.
再生計画認可後に計画遂行が困難になってしまいました。どうすればよいでしょうか。

A.97.
このような場合に一定の救済措置が用意されています。

・弁済期限の延長:「やむをえない事由(想定していた収入が病気・事故・失業などにより予想外に激減した場合など)で再生計画を遂行することが著しく困難になったとき」には原則3年となっている最終弁済期限を最長2年延長するよう裁判所に申し立てることができます。
・残債務の免責(ハードシップ条項):以下の要件をすべて満たすようなきわめて特別な場合に限り残債務が免責されます。
・債務者が自分の責任ではない事由により再生計画を遂行することが極めて困難になったこと、
・再生計画の最終弁済期限を延長することも困難であること
・再生計画に定められた返済額の4分の3の弁済を終えていること
・再生計画認可決定時における破産配当総額以上の弁済を終えていること

Q.98.
再生計画に基づいて借金を返済し終えましたが、その後、また借金を増やしてしまいました。また個人再生手続きを利用することはできるのでしょうか。

A.98.
過去7年以内に破産免責決定を得たり民事再生法の再生計画を履行(またはハードシップ条項により免責)したりしている場合には、給与所得者等再生手続きを利用することはできません。小規模個人再生手続きを利用することになります。

住宅貸付(ローン)債権がある場合

Q.99.
住宅ローンについても借金棒引きしてくれるのですか。

A.99.
いいえ。民事再生法の住宅資金貸付債権特別条項では、元本減額は認めていません。返済条件の緩和のみです。→Q.100

Q.100.
住宅ローンの負担が重いのですが、どうすればよいでしょうか。

A.100.
民事再生法は、住宅ローンについて特別扱いをしています。すなわち、再生計画において住宅ローンの弁済方法について、以下のような特別条項を定めることができ、この条項を守っている限り、住宅が競売にかけられることがない、というものです。

・従前の契約では住宅ローンの支払いが滞り、期限の利益が喪失する場合であっても、住宅ローンの残額を一括して支払う必要はなく、当初の約定通り支払うことができるとする条項
・住宅ローンの弁済期間の延長を内容とする特別条項(最長10年)
・再生計画期間中の住宅ローンの元本支払いを先送りする内容の特別条項

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Q.101.
再生計画において住宅ローン特別条項を定めることができる場合の「住宅」の定義は。

A.101.
再生計画において住宅ローン特別条項を定めることができる場合の「住宅」とは、以下の条件を満たす必要があります。

・個人である再生債務者本人の所有であること
・再生債務者本人がその住宅を生活の本拠として使用していること
・床面積の2分の1以上が居住用であること
・住宅は一つに限定される
・「住宅」の建設もしくは購入に必要な資金、または「住宅」の改良に必要な資金(増築等)の貸付によって生じた債権であること
・分割払いの定めがあること
・抵当権が「住宅」に設定されていること、かつ、その債権または保証会社の求償権を担保するために設定されていること

Q.102.
住宅兼事務所としてつかっているマンションを購入する際に住宅ローンを組んだのですが、これについても適用があるのですか。

A.102.
床面積の2分の1以上が居住用であれば利用可能です。

Q.103.
住宅ローンの定義にあたって、特別条項を定めることの弊害になる場合はありますか。

A.103.
はい。以下の場合には住宅ローン特別条項を定めることの弊害となります。

・当該不動産がオーバーローンにならない場合
※オーバーローンとは、住宅ローンの残債務の方が不動産の査定額より大きい状態のこと
・当該不動産の登記簿に「差押」の登記がされている場合
・当該不動産の登記簿に「根抵当権」の登記がされている場合
・当該不動産の登記簿に住宅ローン以外の抵当権もしくは仮登記が設定されている場合
または、事前に一般債権者に対し、印鑑証明や白紙委任状を渡していたり、仮登記承諾書を交わしている場合
・当該不動産の登記簿に「連帯債務(夫婦/親子)」の次に連帯債務であげられている人以外の抵当権が設定されている場合。または、「同順位の別抵当」が設定されている場合
・自宅兼自営や二世帯住宅のケースで、自身の生活のための居住部分が床面積の半分以上であると証明できない場合
・住宅ローンの滞納期間が長い場合

※住宅ローンに対し、保証会社が代位弁済してから6ヶ月経過している場合は 特別条項を定めることができません

Q.104.
住宅ローンについての特別条項を利用した民事再生を申し立てようと思っていますが、住宅ローン保証会社が競売手続きを開始してしまいました。止めることはできますか。

A.104.
できます。民事再生前に競売手続きが進行していた場合には、申立と同時に競売手続き中止命令の申立を行ってください。裁判所は再生計画に認可の見込みがあれば競売手続きの中止を命じてくれます。ただし、競売手続きが開始してからの状況によってできない場合もあります。

Q.105.
住宅ローン特別条項を定めた再生計画が認可されました。これ以降、住宅ローンの連帯保証人はローンの一括返済を求められることはありませんよね。

A.105.
大丈夫です。住宅ローン特別条項を定めた再生計画は連帯保証人にも効力が及びます。したがって連帯保証人は債権者からローンの一括返済を求められることはありません。

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Q.106.
住宅ローン特別条項を定めた再生計画を遂行中ですが、再び返済が困難になりました。救済措置はありますか。

A.106.
あります。

・最終弁済期限の延長…ただしこの場合には既存債務のカットは認められず、また最終弁済期限も当初契約から10年を越えてはならず、最終弁済期限における債務者の年齢が70歳を越えてはならないなど、厳しい条件がつきます。
・元本の一部返済猶予…ただし猶予期間は原則3年で、元本の一部猶予しか認められません。これでも厳しい場合には、債権者との個別交渉によりますが、最悪の場合住宅が競売にかけられることも覚悟しなければなりません。

Q.107.
再生計画が認可されませんでした。どうなりますか。

A.107.
再生計画案に法律違反があったり、要件不備があったり、無理があって履行の見込みがなかったりする場合には計画案は不認可となります。この不認可決定が確定すれば、破産手続きに移行することになります。

Q.108.
再生計画を遂行することができませんでした。どうなりますか。

A.108.
再生計画が認可されたにもかかわらず、再生計画が遂行される見込みがなくなった場合には、裁判所は、再生債務者の申立または裁判所の判断で再生手続きの廃止を決定します。そして再生債務者に破産原因となる事実(支払停止)があれば、裁判所は再生債務者の申立を待って、破産宣告をすることになります。その後破産者の免責申立を受けて免責決定をします。

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